よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

イタリア食堂 コロンボ [河原町竹屋町]

味・量・お値段にバランス抜群、イタリアンの佳店

【2012年1月】
ウィークデーの夜に2人で再訪問。飛び込みで大丈夫でしたが、間もなくほぼ満席になりました。相変わらず人気の様です。

○滋賀県産 デラウェアの白ワイン 濁り発泡酒
最初にスプマンテか何か、と言いますと、「いま丁度面白いものがあります」と奨められたのがこちら。食欲アップにバッチリです。
ハンガリー産 ウサギのテリーヌ
癖の無いお肉のパテで、それでも味はしっかり。周りは薄切りのベーコンで、これもアクセントになって美味しいです。こちらの前菜皿は添えられている野菜な ども価値ありまして、今回は紫キャベツ、そして人参とオレンジのサラダ、加えて洋梨のコンフィチュールが付いていました。
○三重産 牡蠣とほうれん草とキノコのグラタン
良い牡蠣がありますということで、私の我が侭を聞いてもらいました。大きめの牡蠣でしたので、比較的火がとおってもプリプリ感はしっかり。牡蠣とキノコの味が移ったホワイトソースにほうれん草を絡ませると、これ絶妙。
○イワシのスパッカッテレ ソットオーリオとルッコラソース
面白い一品です。スパカッテレは、ほぼマカロニを縦に割いた様なようなショートパスタで、オイルとの絡みが抜群でした。イワシと野菜やオリーブのオイル漬、それにたっぷりのルッコラで、複雑な「海鮮味」になって満足です。
○仔牛のカツレツ ミラノ風
こ ちらの人気メニューということでしたのでオーダーしました。大きなお皿にどーんと一枚のカツが寝そべる様に出てきます。厚さはそれほどでもなく、脂分の少 ないお肉でした。ラギオールのナイフを入れる時の印象は、カツというよりお好み焼きかピザの様なイメージに近いです。胡椒がちょっと印象的な味は悪くあり ませんが、正直私はこれまでいただいたメインの方が納得度は高いです。
○パン
こちらの定番、ごまの丸パンでした。
タルトタタン
小扇型に切られた一片のタルトは、少し柔らかめで厚めのもの。そのボリュームに、しっかりと味が入ったリンゴがどすん、と乗っています。パウダーシュガーがお皿に散らされていて、いちごが添えられています。ボリュームがあります。
○ドリンク
最初の白ワインの他に赤のグラス、食後にコーヒーをいただきました。

今回もユニークな品々を美味しくいただきました。唯一、こちらの自慢としてお奨めされた仔牛のカツレツが、平均的でした。こちらのローストや煮込みの方が、我々の口には合うようです。次は何時来れるでしょうか。

*以前のレビュー*
【初訪問:2011年4月】
開店以来、良い評判を聞いておりました。オーナーは今出川通にあるイタリア料理の老舗、カーサビアンカで経験を積まれた後に独立したとのことです。ご出身のお店はなかなかに高級な感じがして伺えていませんが、よりお手頃にいただけると言う事でコチラには興味ありました。タイミングを得て、遂に訪問です。

入り口の扉脇には、微笑ましい鳥の「ヘタ絵」が書いてあります。予約をしている旨を告げて、席に案内されました。カウンターが6席、それに2人用のテーブル が4卓の小さいお店です。ほぼ満席のお客対応にスタッフ3人がフル稼働、「食堂」と名乗るのに相応しい気軽な雰囲気になるように努めておられる様子です。 黒板と手元の冊子にメニューがありまして、二人でシェアするつもりでオーダーいたしました。最初のお皿まではちょっと時間がありましたが、それ以降はほぼ 順調にタイミングよくお料理が出てきました。

○前菜盛り合せ(2000円)
ボードに単品の表示がありますが、折角なので盛り合わせでお願いしました。珍しいもの、季節の食材も入って種類数も多くて満足の一品。ワイン進みます。当日の内容は、
生ハム・グリーンサラダ添え、ホタテ貝のスモーク、ホタルイカのスモーク、ヒラメのカルパッチョ・ラディッシュのサラダ、人参のサラダ、キッシュ、パプリカのグリルと水牛のモッツァレラ、オリーブ(黒、白)、小桃のピクルス
というバラエティーあるものでした。カルパッチョホタルイカが特に良かったと思います。
○ホワイトアスパラとパンチェッタのスパゲティ カルボナーラ(1400円)
旬の食材を使って面白そう、ということでオーダーしました。アスパラのシャキシャキした食感、ほろ苦い味と、麺に絡んだ濃厚なソースが良く合います。パンチェッタの塩味も良いアクセントで、これはもう少し食べたいな、という絶妙な量でした。
○仔牛のすね肉の煮込み サフランリゾット(2100円)
予 想を超えた一品。骨ごと登場したので、「すね肉」というより「すねぶつ切り」でした。ティースプーンを持ってこられて、「骨の髄の柔らかいところをお取り 下さい」と奨めていただきました。味付けはそれほど強くないですが、旨味と肉のゼラチン感は濃厚です。それを含んだリゾットも米好きには溜まらないです。この舌を沈静化するために、私は2杯ワインが必要でした。
○ドルチェ・日向夏とココナツのビアンコ・マンジャーレ(600円)
日向夏の良いものが入ったということで、その日のおすすめでした。ビアンコ・マンジャーレ(伊)は、マール・ブランシュ(仏)と言葉は同じ「白い食べ物」。ココナツと牛乳にゼラチンですから、ほぼ杏仁豆腐です。柑橘の酸味が食後にピッタリでした。
ちなみに料理にがっついた私は、一人分をオーダーするパワーが無く、同行者のものを一口いただいて十分でした。
○パン(100円)
全粒粉の丸パンでした。日替わりでごま、トマトなどのものが有る様です。
○ドリンク
プロセッコ(スパークリング白ワイン:800円)、赤ワイン(700円)をそれぞれグラスで。
○コーヒー(300円)

強烈なポーションで満足感を得るイタリアンも大好きですが、こちらはちょっと違います。お料理の量は、普通の食欲の人に十分、大食いの人にはまだ食べれる、 というぐらいの加減です。季節の食材も使っている料理の美味しさに加えて、このバランスが大変感心しました。カウンターで一人、前菜とワインをいただくな ど、使い勝手は色々。もう少し夜遅使いができれば完璧ですが、根付いて欲しい良いお店だと思います。

【2011年8月】
夜遅め、ラストオーダー時間にも近づいていたのですが、連絡したら快くどうぞとのことで伺いました。食事がほぼ終わりかけの先客様で混雑していましたが、一つ空いているテーブルに案内していただきました。人気があるようです。

○前菜盛り合せ(2000円)
こちらのミストは、前回同様に満足するものでした。特に旬の魚介を上手く使われていると思います。その日は、
モッツァレラとトマト、岡山の生タコのテリーヌ・オリーブペースト添え、徳島の活鱧ボイル・サルサベルデ、マグロとカラスミのタルタル、生ハムとグリーンリーフ、キッシュ、サラミ、ソーセージ、南瓜、オリーブ
でした。タコのテリーヌは、スープの味が濃いゼリーの中、透けて見えていたタコの歯ごたえが面白いです。マグロとカラスミが一番気に入りました。
○鴨とフォアグラのテリーヌ(1600円)
ちょっとお値段をとっているだけあって、味は濃くて厚みもかなり。肉の味にアクセントを与えるために、薄く切ったオレンジが挟まっています。この感じが非常に良くて、唸ってしまいました。紫キャベツと人参のマリネもしっかり添えてあります。また有れば食べたいおすすめ品。
○アサリとズッキーニのスパゲティーニ カラスミたっぷりかけて(1500円)
ズッキーニが入った、俗に和製伊語(?)で「ボンゴレビアンコ」という一品です。スープが麺に良く絡んで、美味しいパスタでした。味のアクセントにカラスミがとても良く、これはチーズでは無理なマッチッングかと思いました。
○ドルチェ・白桃のビアンコマンジャーレ(600円)
こちらが得意とされているのか、前回とは違った、今旬を迎えている果物で作られています。桃の量がタップリで、もうこれは水菓子かという様子です。自然な甘さに邪魔立てしない、爽やかな甘さでした。
○チーズ盛(1200円)
カマンベール、ゴルゴンゾーラ、それにあと一種(名前不明。ハードタイプ)が、まずまずの量ありました。レーズン、蜂蜜添えです。
○パン(100円)
全粒粉の丸パンでした。
○ドリンク
赤ワインカラフェ(1600円)、コーヒー(300円)

売り切れ出ていた事もあり、メイン無しという変則的なオーダーでしたが、十分に満足しました。小さいお店ながら多種の前菜で客の使い勝手を良くされている努力、真面目なスタッフだなと思います。
【2011年10月】
お昼に初めて伺いました。平日のランチメニューは一種類、他にランチボックス(持ち帰り)も用意されています。

○ランチ(1200円)
* 前菜:評判通りのバラエティーで、8種の盛り合せでした。鰯のマリネ(エスカベッシュ風)、太刀魚のソテの様なもの、レバーパテ、生ハムとサラダ、イタリ ア風のオムレツが2種類、カポナータ、あと判らなかったのは穀物の様なつぶつぶのもの。どれも味は抑えめで、量の割にはぺろりといけます。
*あさり、きのこ、ドライトマトのオイルスパゲティ
アサリはむき身、きのこはシメジとエリンギがタップリ。こちらもガーリックなどは極々抑えめで、お昼にいただいても問題ない様に配慮を感じました。量は普通ですが、前菜と組み合わせるとかなりの満足度です。
*自家製丸パン:黒ごまでした。
*コーヒー、菓子

ランチとは言っても、とても頑張っておられる内容だと思います。特にミストにこれだけ用意されたら、人気は頷けるでしょう。昼夜ともにお奨めです。

【2011年11月】
ウィークデーの夜ですがなかなかに混雑していました。飛び込みで何とか席が取れましたが、すぐに満席となって帰られる方もしばしば。料理も相変わらず安定して美味しく、人気であるのは納得です。

○前菜盛合わせ(2000円)
ミストが充実しているお店は好きですが、こちらも然り。いつも通り充実していたこの日の内容は、
生ハムとグリーンサラダ、ニンジンのサラダ、レバーペースト、キッシュ、マグロのタルタルカラスミかけ、カボチャ、ビーツのマリネ、トマトとモツァレラ、オリーブ数種
でした。キッシュ(オムレツ)が特に良かったです。
モンサンミシェル産ムール貝とねぎ、唐辛子のリングイネ(1500円)
こ の日はフランス産のムール貝がある、ということでお奨めされたのでこちらに。ムール貝は小ぶりですが、味はしっかりしています。これが九条葱に良くマッチ していて、幅の細い平打ち麺の美味しいパスタになっていました。普段はアサリで用意されている「ボンゴレビアンコ」(注:このイタリア語は無いらしいですけど)の、旬の素敵な変化球バージョンです。
○仔牛のオッソブーコ、リゾット添え(2300円)
まず印象的なのは、牛の脚の骨15センチほどが断面が露になってお皿に乗ってきました。その周りに柔らかくなった肉が取り巻いています。フォークでホロリと取れたのは、十分に煮込まれた時間の証 明。トマトのソースでいただくと味が濃い!腿肉とスジの部分が一緒にいただけて、ジューシーさこの上なし。そのエキスを全て逃さず受け止めているのはリ ゾットのお米で、当然のごとく美味しいです。相当なボリュームなので、小食の方はパスタをスキップして、前菜とこちらを二人で、というぐらいでしょうか。
○サン津軽りんごのタルトタタン(600円)
林檎をさっぱり目に仕上げてあり、甘さは抑えめ。食後には丁度良いものでした。
○バニラジェラート 城陽いちじくバルサミコかけ(600円)
イチジクに酸味のあるソースは初めてでしたが、口直しに良かった。しかしアイスクリームが多く、そちらの印象が勝ちました。
○パン(一個100円)
今日はごまの丸パンでした。
○ドリンク
プロセッコ(白スパークリングワイン800円)を二杯、赤ワインをグラスで一杯。食後にコーヒー(300円)

混雑時もそれほど料理を待たされる様な事もなく、入店してからも間延びする感じは全くありません。日によってはお馴染み様と思われる方で賑やかだったりしますが、それが今後のお店の雰囲気に良い影響となればと思います。スタンプ、こつこつと溜まっております。

今回もユニークな品々を美味しくいただきました。唯一、こちらの自慢としてお奨めされた仔牛のカツレツが、平均的でした。こちらのローストや煮込みの方が、我々の口には合うようです。次は何時来れるでしょうか。

【店舗データ】
イタリア食堂 コロンボ(いたりあしょくどう ころんぼ)
075-241-0032
12:00~14:30、18:00~22:00
定休日 水曜日
京都市中京区河原町通竹屋町上る大文字町242
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レビュー(食べログ)