よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

馬車道十番館 [関内]

港町横浜の息づかいを伝える洋館で気軽に珈琲を

【初訪問:2011年12月】
港町・横浜は、言わずと知れた西洋文明の玄関口でした。今日でも物資輸送という意味では横浜港の重要度は変わりないものの、海外からの人や知識は、ほとんどが空港や通信機器と情報端末を経由しています。それでも港町として活況だった時代を思わせるものが、痕跡の様ではあるものの、大切に残されているのは感 心します。趣きある建物であるコチラ、当時異人さんが珍しい馬車で往来した事から名付けられたという「馬車道」の一つ西側の通り沿いにあります。場所は明 治期にガス事業を始めた高島嘉右衛門家の旧跡ということですが、この建物自体は明治期の建物を再現した比較的新しいものの様です。しかし建物の入口横に は、そのころの馬のための水場跡があります。この大きな水槽を見ると、忙しい仕事の合間でも動物との触れ合いが感じられて良い感じです。

ガッツリとランチを食した後、コーヒーが飲みたくて入ったお店がコチラです。この辺りの喫茶店のほとんどは、ランチ時には「お食事どころ」として頑張って おられる様子。なので、純粋にコーヒーだけ、のつもりでゆっくりできそうなお店は限られておりました。こちらは三階にあるフレンチのレストランがメインで すが、雰囲気を味わうなら一階の喫茶スペースが気軽に使えます。ほか二階にはパブ、四階には宴会場がある様です。その喫茶スペースに進むと、出迎えたス タッフは全員男性。上がベストの人がサービス担当、他に金色ダブルボタンの紺ジャケット姿の方も数人。しかし「お好きなお席にどうぞ」という気軽さ、それほど混雑もしていないのでゆっくり過ごせそうです。メニューを見て、ちょっと優雅な時間が味わえそうな一杯を見つけてオーダーしました。

○カフェ・グランマニエ (525円)
テーブルに持って来られたところで、大きめのカップにポットからタップリとコーヒーが注がれました。細かい泡立ちのホイップクリームも一緒に添えられています。それにお楽しみのオレンジリキュールが小さなグラスにちょっと。オレンジの小片も入っていて、柑橘の香りもパワーアップ。リキュール、コーヒーそれぞれをストレートで、次にリキュールをコーヒーに加えて、最後にホイップクリームを入れていただきました。結局私は4種類の味を楽しみましたが、加えて砂 糖を活用すると、また別の組み合わせと味を楽しめたりします。

食後のコーヒーのつもりでしたが、思わぬspikeが入って舌も気分も引き締まりました。普通はコーヒー専門の全国チェーン店ぐらいしか選択肢が無いところですが、こういうお店がちゃんとあるところに、流石の横浜を感じました。

【店舗データ】
馬車道十番館(ばしゃみちじゅうばんかん)
045-651-2621
11:00~23:00(ただしレストラン11:00~22:00、喫茶・売店10:00~22:00、バー16:00~23:00)
定休日 12/31〜1/2
横浜市中区常盤町5-67
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