よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

竹村玉翠園本舗 [聖護院]

雁が音という風流な名をもつ古都の銘茶

【初訪問:2011年12月】
お店の前は何度も通ったことがあり、抹茶アイスを売っているお店という以上の印象はありませんでした。しかし色々とほうじ茶が美味しいという良い噂を聞き、こちらでも好評価です。で、グルメな友人が来ていただけるとのこと、何か気の利いたものがあると良いかと思ってこちらを思いつきました。以前に他店のほうじ茶をお渡しした際に喜んでいただき、ご自身でも購入に行かれた様です。是非飲み比べの機会にしていただければと。勿論、自分たちの分もゲットして楽しみます。

東山丸太町、というよりも、熊野神社前(バス停名)とか聖護院(八つ橋屋)の交差点、と言う方が良く通じる所からすぐ東です。店頭に200グラム入のほうじ茶などが置いてありましたが、もう少し小さいパックがあればと思い店内に入りました。それで奥から女将さんが現れて、丁寧にご挨拶していただきました。すぐ右の棚に100グラム入りのほうじ茶を見つけましたが、ラベルと値段に違いがあります。店頭の品との違いなどを説明いただきました。こちらの用途を理解されて、寧ろ手頃なお値段の品を奨められる親切さです。有り難いアドバイスを理解し、納得の上購入をいたしました。

○雁ヶ音(かりがね)ほうじ茶 100グラム (651円)
存じ上げなかったのですが、一番茶の茎を「かりがね」と呼ぶそうです。雁がくわえている小枝のイメージだそうで、こういう名前を付けて愛でるというのは京都らしいと感心しました。茎茶はその甘い味もあって根強いファンも多いと思いますが、ほうじ茶にして香ばしいものに仕上げたものも、幾つかの茶舗で用意されているようです。実は友人に以前お渡しした柳桜園の光悦も「かりがねほうじ茶」でしたので、飲み比べには丁度良いでしょう。こちらのお店の方がお安いのもポイントでしょうか。
まずお茶を入れたとき、独特の燻した匂いに甘い香りが立ちます。このお茶の最初のご馳走ですが、悪くありません。ただ香りの強さから言えば、少し弱めでしょうか。お味の方は申し分ありません。ほうじ茶の香ばしさはそのまま、渋さは抑えめ、加えて甘さはプラスされています。期待の通り、このお味は、冬の夜に一服、でいただくのに好都合です。

流石にあの親切な女将さんなら、変なものは奨めないだろうと納得しました。お客に信頼されることを大切にする、老舗らしいご商売と品だと感じました。友人からも美味しかった、との連絡をいただき満足です。これまで見過ごしていたお店が実は良店だった、というのも実に嬉しいことです。

【店舗データ】
竹村玉翠園本舗 (たけむらぎょくすいえんほんぽ)
075-771-1339
9:00~19:00
定休日 日曜日、祝日(臨時営業の場合あり)
京都市左京区聖護院山王町13
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