よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

本家尾張屋 錦富小路店 [四条富小路]

京都の老舗が魅せる良心をいただいて始まる一日

【初訪問:2011年1月】
京都で老舗の蕎麦屋さんは幾つかありますが、その中でも尾張屋さんは応仁の乱の頃、菓子司として始めたというスゴい歴史を持つお店として知られております。車屋町通二条下るにある本店に何時かと思っておりましたが、そんな私にも噂が聞こえて来たこちらのお店のオープン。京の台所として有名になった商店街・錦から富小路を下がった西側にあるのがこちらです。老舗が街中の便利な場所に出している支店、といえばそうなのです。しかし、例えばご近所にある同じ尾張屋さん支店(四条店)とは違い、是非こちらには一度、と私が大変興味を持ったサービスを提供されております。

既に多くのレビュアー様がアップされておりますが、それは朝ごはん、いわゆるモーニングサービスです。ワンコインでお蕎麦とかやくごはん、それが朝からいただけるらしい。是非にと思いつつ、自らの粗忽な生活態度もあって、その時間に伺うことはずっと出来ずでした。それでも朝に街中に行く機会を得て、ついにお蕎麦のモーニングにありつきました。

和風の新しい店舗は、明るくて入りやすい雰囲気を出しています。広いお店に先客様もまばらですが、ホール担当の女性スタッフ二人は慣れた感じで応対されます。初めてと思われる人には、「温かいのと冷たいのと、どちらにされますか」と問い、錦あたりからの常連様にはおはようございます、と声をかけて「寒いですね。今日も冷たいのですか?」などと、いつものメニューで良いかと確認をされます。キョロキョロと様子を窺いながら入って来た外国人のバックパッカーには、席を勧めつつEnglish menuを渡します。

○朝ごはん(500円)
上記のとおり、こちらの朝ごはんは一つ。付いているお蕎麦が「温そば」、または「せいろ」というオプションがあるだけです。肌寒いこの日は「温かいお蕎麦」をお願いいたしました。
たっぷりのおつゆが入ったお蕎麦で、薬味葱、天かすは別の小皿盛で出て来ます。丼から上がる湯気の好ましさと同じく、ちょっと熱めのおつゆが冷えた身体を温めてくれました。それにかやくごはんは、あげ、人参などの定番の具に、さやえんどう一かけ。小さい緑色一つで、上等な感じにしているのは流石です。しば漬が付いていました。

商店街に関係する方の利用が期待は出来るものの、500年を超える歴史を持つ老舗によるサービスとしてはとても手頃。全くのサービス価格で提供されていることに、こちらの良心を感じます。ちょっと遅めの開店時間がネックですが、機会があれば腹ごしらえに伺いたいと思います。

【店舗データ】
本家尾張屋 錦富小路店(ほんけおわりや にしきとみのこうじてん)
075-255-0805
9:30~18:30 朝蕎麦は11:00まで
定休日 1月1日~2日
京都市中京区錦富小路下ル西側
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