よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

美齢 [西陣]

庶民派ながら美しい中華、たっぷりいただける人気店

*訪問から時間の経っているレビューです。
【初訪問:2012年9月】
伺う機会を求めて随分経ちますが、先の予定を決めて事前予約するのが億劫な性分。なので、直前の連絡で撃沈数度でした。しかし今回は、遠来の方をお迎えし、ばっちり予約をしての訪問です。京都の庶民派中華として、マイレビュアー様含む多くの皆様が絶賛されている人気店です。今出川通りからの細い路地を入り、既に暗くなっている西陣の住宅街の中を静かに進みます。やがてぼんやりとした灯りが見えて、間もなく暖簾も確認してお店を見つけることができました。

予約名を告げると、女性のスタッフから二階へ案内されました。右手のキッチンから、ご主人が笑顔で挨拶されます。狭くてちょっと登りにくい階段を通って座敷に入ります。お誘いしたのに、相変わらずお客様より後に着く体たらくでした。お座敷は2卓用意できるぐらいのスペースがあって、もう一つでは別のグループ様が宴が盛り上がっていました。

○前菜五種
正方形のお盆に五種類の豆皿が並ぶ、素敵な盛り合せでした。「鱧おとし」は、香りの良い(何かは判らず)グリーンソースが少し。テリーヌ風のものも添えてありました。「海老の紹興酒漬」は頭付き。甘い身が上品に仕上がり、ワタも当然旨いです。「棒棒鶏」もプルプルの蒸し具合で、胡麻だれも素晴らしい。「茄子と鶏肉のピリ辛煮」は、抑えめの辛さと茄子の旨味が良いバランスになっています。口直しにさつまいもが添えてあるのも良い配慮でした。「クラゲの酢の物」も、コリコリとした食感が良く、食欲を駆り立てます。
○豚肉の黒酢いりつけ
皆様のレビューを拝読して是非、と思っていた一品。表面はカリッと、肉はジューシーな豚肉が、甘酢の餡と絡んで、文句無しに旨いです。黒酢らしく酸味は優しく、かすかに感じるカレーの様な風味が面白いです。
○大エビのマヨソース
プリプリの海老と、マヨソースとのバランスが素晴らしい。風味はちゃんとありますが、いわゆるマヨネーズのねっとり感は抑えめで、ソースはあくまで名脇役でした。
○しゅうまい
小さいせいろで供されました。黄色い皮にニクニクしい餡がたっぷり。
○季節の青野菜炒め
ターツァイ、ブロッコリなどとシメジが、塩味のあんかけになっています。野菜好きには嬉しい一品。
○麻婆豆腐
石焼鍋に入って、アツアツの状態でいただけます。豆腐と葱とシンプルで、唐辛子の辛さより旨味に印象がありました。勿論、山椒もきっちり効いていていましたので、強い刺激物は苦手といわれた方は、ギリギリ楽しめるぐらい、とのことでした。
○五目のおこげ
カリカリのごはんのおこげ、恐らく一合ぐらいのタップリの量が大きな丼に入っていました。上にかかっている醤油味のあんも、豚肉、いか、きのこ、白菜、セロリ、人参とたっぷり。おこげ自体の油で、一層ボリュームを感じます。
○おまたせ冷麺
「お時間がかかります」というお断りがメニューにありますが、料理の名前まで反映しています。出てきた漆器製の大椀を見て驚、その量とトッピンされた具材の豊富さにまた驚きです。中太の麺の上に、海老、蒸し鶏、胡瓜、トマト、薬味にセロリや茗荷、等々。さっぱりとした味が、食事の〆にバッチリでした。

お料理を一番がっついていた私、以下の二品は別腹と仰るお二人にお任せいたしました。

○タピオカ入りココナツミルク
ブルーベリーとイチゴのトッピングが印象的です。
○蓮あんのごま団子
アツアツで胡麻は表面に、餅の皮は薄く、蓮あんがたっぷりとのことでした。これを綺麗に揚げる技は流石です。

一つ一つのお料理はどれも1000円前後。前菜の盛り合せは一人ずついただきましたが、後はすべて3人で十分シェアできるボリュームでした。身近な食材を上品に、それでいてしっかりとした味付けで作られています。恐らくシェフは一人で全てこなされていると思いますので、お皿が出てくる時間は少しかかりました。早めの閉店時間ですが、オーダー時に受けていただけるか確認すれば、ゆっくりと落ち着いていただくことができました。街中から少し外れた場所ですが、人気の理由は十分に納得できます。

【店舗データ】
美齢(めいりん)
075-441-7597
11:30~14:00、17:30~21:00
定休日 月曜日、不定休
京都市上京区黒門通元誓願寺上ル寺今町511

レビュー(食べログ)