よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

酒亭 ばんから [先斗町]

先斗町の人気割烹で旬のお皿を探す愉しみ

*訪問から時間の経っているレビューです。
【初訪問:2012年8月】
街中で気軽でかつ美味しい和の酒肴をいただけるお店として、評判を聞いておりました。是非とも伺いたいと思っていた念願が叶いました。週末の夜に直前の連絡でしたが、快く席をキープしていただけました。場所は四条から先斗町を上がって、左側に入る路地の一つにあります。ちなみに、こちらのお店のある路地は、木屋町へ通り抜けができません。本当に町家の一軒、観光に来た様な気分でお店の中へ入りました。

お店に入りますと、小さいながら魅力的なカウンター席がありまして、ほぼ満席でした。靴を脱いで上がる二階へ案内されますと、そこには3卓ほどのテーブルがありました。町家の階上ですが、空調がしっかりしており居心地は良いです。こちらの二階席を専ら担当される女性が、いつでも対応できるように待機されています。落ち着いた感じの別嬪様で、安心感あります。したがって、追加のオーダーなどで、スタッフを呼ぶのに苦労するようなことはありませんでした。メニューを確認しますと、料理は定番から創作まで豊富なメニューで悩ましいです。悩んだ挙げ句、夏の京都らしいものを選んでオーダーしました。ドリンクも豊富で、日本酒、焼酎とも多くの銘柄を用意されていました。

○突きだし
「生湯葉」、「焼魚」、「白身魚と大葉の揚物」の三種のお惣菜でした。日本酒にして正解です。
○お造り
「蛸ぶつ」、「太刀魚焼霜」、「岩がき」を出していただきました。半生の蛸の味と食感、それに旬の太刀魚の、脂が焼霜で香ばしくなったところが絶品。岩がきもまずまず美味しくいただきました。
○鮎の塩焼
身の大きさは十分でした。独特の苦みもほんのりとありまして、日本酒が進みます。
○稚鮎の天ぷら
初夏にいただけなかったリベンジを兼ねて、もう一品を鮎で。天つゆも付けてありましたが、身の味を楽しむためには粗塩でいただくのがずっと素晴らしいです。
○賀茂茄子の白みそ田楽
大きな茄子が半分、恐らく油焼きされたのだと思いますが、香ばしく焼かれたところに白味噌がたっぷり。とろとろになった実は、夏の贅沢です。
○芋茎(ずいき)とおろし冬瓜と貝柱の冷製煮物
芋茎と冬瓜も旬の野菜、甘い貝柱の味で爽やかにまとまっています。涼しい一品でした。
○無花果のだし煮
恐る恐るオーダーした品です。実はいちじくは揚げ出しになっていて、温かいおだしに浸っています。香りと甘みもしっかり感じられる上に、それがおだしの塩味と絡んで複雑な美味しさです。
○冷酒 蒼空
伏見のお酒で、最近評判になっている銘柄の様です。お料理を楽しむために少しいただきました。

期待通りに旬のものをたっぷり二人でいただき、一人5000円弱の会計になりました。美味しかったとずっと対応してくださったスタッフに言いますと、「遠くから来ていただいたのでしょうか」と、謝していただきました。京都の地酒をわざわざ選ばれたので、観光の方かと思われたそうです。なるほど、そういうこともあるのですね、比較的近いので、また来ます、と言いながら辞しました。先斗町、町家、それに旬の魚と野菜色々。途中ですぐ横のテーブルに来た大阪の若いお二人連れの、「京都らしい」と満喫されていた様子が印象的でした。

【店舗データ】
酒亭ばんから(しゅていばんから)
075-221-5118
17:30~23:00
定休日 火曜日
京都市中京区先斗町通四条上ル鍋屋町209-8

レビュー(食べログ)