よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

みな川 [北白川]

白川の露の如く艶やかなお蕎麦

【2012年9月】
まだ暑い日にお蕎麦をいただきたくなり、2年半ぶりに伺いました。場所やお店の雰囲気は変わらず、民芸調のお店には外国の方もちらほら居られました。以前と同じくカウンター席の端に座りまして、上品な女将さんに注文をお願いしました。そば茶を啜りながらお料理を待っていると、近所の造形大の学生さんと思しき、今風の別嬪さんお二人がカウンター席に来ました。今日は良い日です。

○えび天かきあげ せいろ (1600円)
陶器製のお皿に敷いたざるに、細くて白いお蕎麦です。こちらのお蕎麦は、薬味をほとんど使わず、そばつゆでいただくと本当に美味しいと思います。以前と同じく、大食いの私にはポーションがちょっと小さく感じました。そば湯は少しとろりとしたタイプで、山葵を多めに使って美味しくいただきました。
かき揚げで感心したのは、海老がプリプリに仕上がっていたことです。対して、玉葱などの野菜はカリカリに揚がっており、香ばしいものの甘みなどが無くなっていました。予想以上のボリュームがあり、これで蕎麦で不足気味に感じていた分が少し解消されました。

以前の訪問から変わらず、お蕎麦、天ぷら共にお料理には満足しましたし、サービスや雰囲気も悪くないです。ちょっとお値段は高めに思いますが、界隈のお蕎麦屋さんでは一番好きなお店です。

*以前のレビュー
【初訪問:2010年2月】
以前から評判は聞いておりましたが、この辺りに来るときはガツンとたっぷり食事をしたいお昼時が多くて逃していました。2月で季節外れの暖かい日に、冷たいおそばが欲しくなって伺いました。引き戸の向こうは、店内でも石に打ち水をしたような風情で、広くて和風作りのきれいな店内です。小さいテーブル二つに小上がりに卓、カウンター席。お好きなお席へどうぞ、とのことでしたので、カウンター席に座ります。後からのお客さんの様子から奥には座敷がある模様です。また店内にはガラス張りで蕎麦打ち台があり、タイミングによりご主人のパフォーマンスを見ることが出来ます。

そば茶、おしぼりと一緒にメニューを持って来られました。ファイル式の小冊子ですが、趣のある筆の字によるお品書きです。基本のお蕎麦は九割、数限定で十割を「あらびき」として出されているようです。温そばは七割となっているとのこと。定番品のお値段は、ざる(800円)、あらびきざる(1000円)ですが、急に天ぷらが食べたくなってきました。

○天ざる (1600円)
最初に薬味とそばつゆ、ほどなく蕎麦が運ばれてきました。丸盆の様な陶器製のお皿にざるが一枚敷いてあり、その上にお蕎麦が盛ってあります。白玉(真珠)の様に白く、細い麺がツヤツヤに光っています。つけつゆはそれほど塩っぱくないですが、蕎麦の風味がよく引立てる感じで悪くありません。薬味の山葵だけをほんの少し入れるぐらいが丁度良く、味わって食べ進むと、すぐに白露の様に無くなってしまいました。
天ぷらはすぐにお持ちします、と言われたのに届く前に蕎麦を完食したため、逆に気を使わせた感じになってしまいました。揚げたての天ぷらは、荒塩でサクサクホクホクのものを楽しみます。海老2匹、野菜に金時人参、ごぼう、そしてシーズン初のたらの芽!甘くてほろ苦い春の味を楽しみました。この時、とろっとした濃いそば湯を楽しみながら、なんとも贅沢な気分に浸ることができました。

今回特に感じたことは、美味しいお蕎麦なら、天ぷらなどは別に食べた方が満足度高いということ、薬味の葱はお蕎麦にわざわざ必要でなくて、蕎麦湯の時にあれば十分かな、ということです。料理の出すタイミングなどを気にされて詫びておられましたが、今回は許容範囲に思いましたし、接客などの問題もありませんでした。ただお店が満員でなかった時の料理を出すタイミングに問題ありなら、もっと混雑する時のオペレーションは大変かもしれません。美味しいお蕎麦をいただくにはお奨め出来ますが、伺う方もこの点は念頭に置いた方がよいかと思います。再訪問非常にポジティブです。

【店舗データ】
みな川 (みなかわ)
075-724-2340
111:30~15:30、17:00~19:00、土・日曜日・祝日は11:30~18:00
定休日 木曜日(祝日の場合は翌日)
京都市左京区北白川山田町67-18

レビュー(食べログ)