よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

トラットリア マンマ・ディ・ブー [四条新町]

タップリどうぞ!の気持ちが嬉しいマンマのトラットリア

*訪問から時間が経っているレビューです*
前回の印象が大変良かったこと、冬になってジビエを使われるということを聞きまして、1月に再訪問しました。その時の印象が良くて結局3月末にも伺って楽しみました。

【2012年1月】
○前菜盛合せ (1800円)
こちらのミストは相変わらず充実、二人分でも6種でボリューミーです。
*鶏レバーのクロスティーニ:前回と変わらず濃厚な味。
*タラとポテトのクロケット:優しい味に、ちょっと気が休まります。
*鹿肉のテリーヌ:冬の贅沢、たっぷりの鹿肉で満足度は高いです。
*茄子とイワシ:マリネの様に仕上がっていました。
*法蓮草の煮込み:優しい味付けですが、オイルと法蓮草の風味はしっかり。
*インゲンと鳥のロール(蒸物):シンプルな味付けで、パクパクと美味しくいただけました。
○パッパルデッレ 丹波篠山の猪肉煮こみ (1650円)
ジビエとして選択。しっかりめの味付けでホロホロと煮込まれた猪肉が、幅広の麺と絡んでいるのは、唸る程にウマいです。
○カッチュッコ(リヴォルノ風魚介の煮こみ) (2150円)
このボリューム、がつんとした味付け、それでもスープに溶け込んだ魚介の味。子持ちの大きな鰈がこの日のスペシャルで、タコ、白貝、赤エビと旨味の元がたっぷり。トマトと唐辛子の風味が効いた煮込みは、絶品でした。魚は季節によって変わる様ですので、季節毎に楽しみたいです。スープはパンと一緒に。

○パン フォッカッチャをいただきました。
○カプチーノ(500円)
○ドリンクなど
一杯めにスプマンテ(600円)、グラスワイン(600円または800円)を適当にいただきました。他にコペルトが一人300円必要です。

【2012年3月】

○前菜盛合せ (1800円)
*ゼッポレ(岩海苔のフリッター):こちらの名物かと思います。香ばしくで美味しい前菜です。
エスカベッシュ:恐らくタラを使われたと思います。優しい味の、所謂イタリア風南蛮漬。
*ブロッコリとアンチョビ ガーリックのマリネ:甘い野菜にちょっとクセのあるアンチョビが良いアクセントでした。
*鯖のマリネ:もちろん美味しいですが、ウイキョウを添えてあるのが嬉しい驚きです。
*パプリカ・ミートソースのロースト:パプリカの甘さがMaxになった様に感じます。
*イカと白インゲンのトマト煮:白インゲンのトマト煮込みは大好きですが、イカに合わせてあるのは初めてかもしれません。トリッパも良いですが、こちらも気に入りました。
○マルタリアーティ ウサギの白ワインソース(1450円)
なんと料理のレモン風味は、幅広のパスタに練り込んであるためであるようです。ウサギ肉も味わい深く、塩味の効いたねとっとしたソースは、爽やかなパスタとピッタリでした。
○鮮魚のグリル(1900円)
美味しい白身魚の「焼魚」といえばそうですが、塩加減と焼加減が絶妙で素晴らしかった。鯛と平目で出していただきましたが、白ワインがぐびぐびいけます。緑紫それぞれのキャベツ、サラダ菜添えで。
○サルシッシャ(自家製ソーセージ)(1550円)
大きな一本の物体が板乗せで登場したときは、流石に驚きました。ソーセージ自体にスパイスとハーブの複雑なお味が楽しい。結構お腹がいっぱいになっても、あらためていただく事ができる不思議です。
○ドルチェ レモンとリコッタチーズのタルト(600円)
別腹らしいですが、そのボリュームはかなり。爽やかなお味で、舌の方はバンバン受け付けた様です。コストパフォーマンスで語ると、こちらのお店ではドルチェが一番かもしれません。
○コーヒー(アメリカーノ、カプチーノ)(500円)
○ドリンクなど
一杯めにスプマンテ(600円)、グラスワイン(700円または800円)を数杯。コペルトが一人300円。
お土産にビスコッティを頂戴しました。たまにか伺っていないのですが、覚えていただいたのかもしれません。

これまで伺った結論といたしまして、こちらのマンマは好奇心溢れる美味しいもの好き、ということです。日替わりのメニューにちょっと面白いものが見つかったり、また定番のモノでも旬の食材で作られたり。色々といただきたくなりますから、お腹を空かせて準備万端でトライされることをお奨めします。それにちゃんとメニュー、ドリンクごとの明細が記されたレシートが出る明朗会計です。伺った時はいつも満席、週末ならば当日でもまず電話されることをお奨めします。

*以前のレビュー*
【初訪問:2011年9月】
週末に外食しようかという時、アレコレ調べている間に目に留まったのがこちらです。シェフが女性で、そのブログを拝読しても、他店の料理を含めて美味しいものに強い興味を示されています。利用された方の感想を見ると、昼のランチにてワーキングレディーがガーリックの効いたパスタに少し困られたりしています。そこに融通のなさよりも好ましい実直さを感じまして、夜に伺いました。四条通の室町と新町の間にある路地、町家風の食事どころが密集してグルメスポットとして認識されている場所の西端近くにあります。

当日予約が出来ましたが、他は先客様で全て埋まっていました。すでに人気店だった様で、期待が高まります。女性シェフはほとんどキッチンで一人で居られて、ホールは男性が一人で担当。一階は2人用テーブルが3卓と2、3人ほど座れるカウンター席。正直、ちょっと窮屈な感じがします。二階には小グループで食事ができるスペースがあるようで、賑やかな声が聞こえます。これを二人で切り盛りされるのですが、本当に忙しくされています。一皿目まで少し時間があったものの、全体ではそれほど待たされずに料理が出てきました。ただディナータイムは、気兼ねなく話ができる方と行かれた方が楽しめると思います。

料理は壁のボードにありまして、どれも非常に興味深い。入荷時期が限られる食材も積極的に使われるので、お好きなものが旬であれば是非トライされると良いでしょう。全般的に塩は料理により強弱あり、ニンニクは使う時には本気でしたので、その日はお腹を空かせ、またコースはありませんので、ポーションを注文時に確認や相談をして選ぶのが良いと思います。

○前菜盛合せ(1800円)
イタリアンでアンチパストに悩めばこのメニューを探す、というぐらい、有り難いメニューです。こちらのお店は、かなりユニークなものを揃えられて、またワイン向きのものばかり。
*ゼッポレ(岩海苔入りパスタのフリッター):磯の風味がするモチモチの白いパンの天ぷらです。塩はそれほど強くありません。
*カポナータ:茄子がメインで後はトマト、ズッキーニが少々。こちらもそれほど塩っぱくない仕上がりでした。
*自家製豚のハム:もしかして他の言葉を使われたかもしれません。スパイスが小気味よく美味しいです。
*クロスティーニ(鶏のレバーペースト):ワインがぶ飲みです。
*ファジョーリ(白インゲン)のマリネ:もしかしてサラダかもしれません。バルサミコか、酸味が効いてて面白いです。
*コッパ(豚の耳と頭のゼリーよせ):丁寧に作られているのだと思いますが、臭みなど一切なくて旨さと歯ごたえがバッチリ。
*茸のフリッタータ:普通に美味しいです。
○ポルチー二のタリアッテレ クリームソース(1950円)
たっぷりのポルチーニ茸とソースに出た味が濃厚です。そのクリームソースがモチっとした平打ち麺に絡んでがっつり美味しくいただけました。ポーションは少し大きめで、塩味もちゃんと効いています。
○キジのグリル クリームソース(2650円)
雉が半身もありました。香ばしくグリルされ、歯ごたえもちゃんと味わえました。肉自体の味に強いクセや特徴は感じられなかったので、他の鳥肉でも美味しい料理になりそうです。添えられていたクリームソースが、パンチェッタの塩気を含んだ濃いめの味でした。付け合わせにほろ苦い野菜、エンダイブ、と説明がありましたが、チコリと呼ばれているものと同じの様な気がします。 ○パン (コペルト)
美味しいフォカッチャを出していただきました。

○ドルチェ:キャラメリゼしたナッツのアイスクリーム(600円)
色々魅力的だったらしいですが、これが一番軽そう、という理由で選んだ様です。それでもタップリあって、嬉しい悲鳴をあげていました。香ばしくて期待通りとのこと。
○チーズ・少なめ(700円)
グラスに残った分のワインのため、少しだけお願いしました。ピコリーノ、ゴルゴンゾーラ、そして名前を失念したもう一つ。白くて、口当たりが柔らかく味はちょっと辛いものでした。加えて絵枝付きの干しぶどうです。
○カフェ(500円)
普通のコーヒー(アメリカーノ)をいただきました。ちゃんと美味しいです。ドルチェと一緒か別か、タイミングは遠慮なく希望を伝えて良いです。
○ドリンクなど
食前酒にグラスのスパークリングワインやカクテル(スプマンテ:600円、キールロワイヤル:800円)をちゃんと用意されています。グラスワインもちゃんと美味しいものを抑えめなお値段(600円)で提供してくれます。ワインの量はほどほど、でした。他にコペルト(席料およびパン代)が、一人300円です。

以上、本当にお腹、舌ともに満足して、一人6000円ちょっとの会計でした。手頃なワインを選ぶ限り、これで十分に楽しめると思います。コペルトまで明細に記されたレシートが出る明瞭会計でした。私がレビューを書いている現在、こちらの夜の平均お値段が実際に比べ随分高く(我々の2−3倍)、訪問しにくい「コワい」お店っぽくなっています。そんなことは無いと思われますし、何よりも明朗会計ですので疑問はありません。

同行のご仁は、「こんなに美味しくて楽しいのに、お店の名前でちょっと損している」との意見。最後のBooは、キャラであるの豚の鳴き声。つまりファミレスの様な店名なので、もっとお洒落な名前でも良いじゃないの、ということだと思います。お見送りでわざわざ出て来られたシェフ、お若いのにもう肝っ玉かあさん、もとい、マンマの風格あります。笑顔で謝していただいた時に是非リピートをしたいと思いつつ、店名がハンディーになっている感じは皆無で堂々とされています。ホールの男性スタッフも良く目が届いて親切に対応していただけます。タップリ食べられる人は誰かを探して、量がそれほどの人はよく食べる人を相手に、伺われると楽しいと思います。

【店舗データ】
トラットリア マンマ・ディ・ブー
075-241-9144
11:30~14:00、17:30~22:00
定休日 水曜日、不定休 木曜日ランチ
京都市中京区新町通小路下る小結棚町434-4
リンクブログ

レビュー(食べログ)