よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

グリルアンドバー東洋亭 近鉄店 [京都駅]

このハンバーグとトマトサラダを供することの難しさ

【初訪問:2012年1月】
それが自分の好みとは異なっていても、お店の特徴や独自性を感じられた時には、納得できるし応援もできます。それに歴史の重なりが加われば、もう私個人の味の好みなどは、どこかへ飛ばしていただいても良いかと思います。そういう気分の私なのですが、後述の理由の通り、北山の本店はじめ京都市内に数店舗と大阪あるこちらの系列店に、なかなか足が向かなかったのです。しかし京都駅にあるこちらのお店に伺う機会が、思わぬタイミングで来ました。元旦です。京都を出る前にお昼の腹ごしらえで、こちらが一番無難な選択に思えたのです。午後遅くでもほとんどの座席は埋まっていて、時々待ちがでるほどでした。

こちら「キャピタル東洋亭本店」は、「アルミホイルの袋でデミグラスと蒸し焼きにするハンバーグ+ベークした ポテトバター+トマト丸ごと1個のサラダ」という特徴あるメニューがあります。「1897年営業開始」という歴史もあるようです。歴史については、少し疑 問に思う点があるものの、情報不足なので判断できません。なので、料理についてのみ興味をむけるのですが、上述のメニューについて、よく似たのメニューを 人気メニューとして出しているお店が東京にあります。幸か不幸か、この場合はどうしてもそちらとの比較になってしまいます。

○ハンバーグランチ (1100円、税抜)
熱い鉄板の上には、蒸気で膨れたアルミの包みと大きなベークポテトが一個です。注意してナイフでホイルを破ると、期待どおりブラウンソースに浸ってジューっと音を立てているハンバーグがありました。ソースはほぼビーフシチューで、少しですがちゃんとお肉も入っています。ハンバーグのボリュームも十分、ソースもまずまずで、大きなポテトを浸しながらいただくのも良かった。もっと肉感にこだわるか、ジューシーさが感じられるか、どちらかに決まればなお良かったと思います。
しかしサイドメニューは残念。トマトサラダは湯剥きした一個丸々にサウザンアイランドがかかったファルシーサラダですが、まずトマトが あれっ?というぐらいの小ささです。こういうのは、ある程度の大きさのものがあると美しく見えるし美味しいのだと思います。下にある玉葱が多めのポテトサラダもちょっと中途半端な感じで、がっつりオニオンスライスにするか、またはコールスローの様に甘いものを味替わりにしていただく方が嬉しいです。そして、見た目が良かったパン(フォカッチャ風)が、冷めているというのが、一番残念なところでした。

○グラスワイン (460円、税抜)
手頃な値段ですが、まずます美味しくいただきました。

さて、このハンバーグのどちらがオリジナルか、ということについて判断する情報を持ち得ていません。しかし現在のところは、東京のお店の方がオリジナルじゃないかな、と思っています。その理由は、件の東京のお店のホームページでは、「○○年から、こういう経緯で始めた」という紹介がしっかりと書かれているか らです。もちろん、良いものの模倣はお互い様、ということもあるでしょうから、余りにも細かく「どちらが元祖・本家」ということを兎や角言う必要は無いかもしれません。でも、流石に名物メニューというものなら、オリジナルを超えるものであって欲しい。もし自分たちのオリジナルなら、堂々とアピールして欲しい。外から多くのお客さんが来られる京都の玄関口、京都駅にあるお店であるが故に、ちょっと考えてしまいました。なおスタッフは混雑の中でも、淡々ながら 頑張って切り盛りしておりました。

【店舗データ】
グリルアンドバー東洋亭 近鉄店 (ぐりるあんどばーとうようてい きんてつてん)
075-662-2300
11:00~21:00
定休日 無休
京都市下京区塩小路釜殿町31-1 近鉄名店街 みやこみち
リンク

レビュー(食べログ)