やっこ [室町夷川]

街のうどん店で京のあんかけ三品をいただく

【最近の訪問：２０１１年１１月、初訪問：２０１０年１２月】
（その１：２０１０年１２月）
寒い季節になれば、どうしてもいただきたくなる「あんかけ」のうどん。おろし生姜やカレーの味は身体を芯から温めてくれる、京都の冬では庶民の定番かと思います。ある晴れた寒い日、平日のお昼ごろにご近所を通った時にこちらへ伺いました。地下鉄の丸太町駅から近く、地方紙新聞社のお膝元、という感じです。こちらも古いお店で、気のおけない雰囲気。小さめの木製卓、椅子がきっちりと並んでいる街の麺どころです。カウンターに６、７席、テーブルは２人または４人用が１０卓以上ありまして、かなりの収容人数です。それでも１２時を数分超えたあたりから急に勤め人が入ってきて、一気に相席まで出る様になりました。

メニューにはうどん、そば、中華そばに、丼もの。季節の鍋焼きうどんが人気の様ですが、ここはやはりあんかけをいただかないと、と思いオーダー。お運びは基本女性一人ですが、何人か居られる調理場から時々サポートが入ったりしています。安定感ある仕事ぶりも、安心して見ていられます。このようなお店で重要なポイント、あまり時間をかけずに食事が運ばれてくる、という対応も良いです。

○けいらん　（５８０円）
卵とじがそれほど細かくなっていないタイプです。生姜はバッチリ多めで、期待通り体温上昇に貢献。おだしが美味しくて、後半は小ごはん（１６０円）と一緒におつゆ全ていただきました。うどんは細めで柔らかい京都のうどんで、あんに良く絡んでおりました。

永らく支持される街のうどん店、さすがに定番メニューはきっちり美味しくいただけました。さて、こちらは和風だしに具なし中華そば「キーシマ」が裏メニューとして知られているお店。つまり、各メニューの「台」を、うどんから中華そばに換えることを自由にしてくれるお店です。ということは、アレなんかも、作ってくれそうです。

（その２：２０１０年１２月）
ということで、翌週に再訪問しました。１２時よりも早く入店し、予定どおりの品を小めしと一緒にオーダーしました。

○キーカレー　（５８０円）
「キー」とは黄色のこと。つまり中華そばのことをコチラでは「きぃ」と呼んでいる様です。したがって、京都あんかけの人気メニュー、「カレーうどん」の麺を中華そばにしたものです。人気またはお奨めの様で、ちゃんとボードなどにその存在はアピールされておりました。まずは、甘めのきざみあげ、九条葱という定番の具がバッチリです。完全にしっかりととじたカレーだしも良好です。しかしこのあんかけに麺はすぎました。フニャフニャでまるで細うどん、中華そば独特の固さがありませんでした。おだしとはまずまず合いましたが、やはり中華そばは「つるっ」とした食感が欲しいところ。これは「カレーうどん」の方が良さそうです。やはり身体はポカポカ、スッキリ汗も少しでて寒さを忘れて爽快です。小ごはん（１６０円）付きで、残りおつゆで「ミニカレー丼」はお約束でしょう。

今回は麺の選択が違った様な気がしますが、かかっているあん、に関しては変わらず気に入りました。特に甘きつねの感じが良かったので、次のあんかけターゲットはアレしかありません。

（その３：２０１１年１１月）
機会が無いままに１シーズン過ぎてしまいました。昨年からの課題、あまいきつねが活きる一品をいただくためにお昼に突撃しました。お店の様子は全く変わっておりません。

○たぬきうどん　（５３０円）
最初に「京都の、あんかけのたぬきですけど」というお断りがありまして、心中「きざみおあげのショウガあんかけで了解です」という表情で頷きました。あんはたっぷり、柔らかめのうどんにかかっています。かなり甘く味付けされたお揚げですが、おろし生姜もしっかりあるので、全体のお味は引き締まっておりました。九条葱もちゃんとあんの中で火を通されて、美味しくいただけました。
○ミニ焼飯　（４２０円）
メニューに見つけてお願いしました。卵入りの正に家庭の焼飯で、固めの仕上がりはまるで「おこげ」の食感。刻みのチャーシュー、九条葱、紅白の色合いはカマボコでした。普通に美味しいですが、量的にはちょっと中途半端かもしれません。お揚げが重複するので避けましたが、同じお値段の「ミニ衣笠丼」の方が良かったかもしれません。

古いお店で、良くある街のうどん屋さんですが、人気店らしく流石の美味しさです。勝手に検証モードに入っていただいた京のあんかけ三品、どれも満足いたしました。特に寒い日には、キーシマよりもお奨めします。

【店舗データ】

やっこ
075-231-1522
11:30〜20:00、 土曜日のみ11:30〜15:00
定休日 日曜日、祝日、年末年始
京都市中京区夷川通室町東入ル冷泉町76


レビュー（食べログ）