よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

精養軒 [北野]

昭和な中華そば店の「カルボナーラ」的餃子

【初訪問:2011年9月】
マイレビュアー様の興味深いレビューと写真を拝見して、是非にと思っておりました。鶏ガラのラーメンでひばりが聞ける?お店の場所と様子は、以前界隈を通った時に認識しておりましたが、あらためて見えるそのショーワな感じは魅力的です。夜に一人で食事を取ることになった日、千本中立売から殆どのお店が閉まっている商店街を抜け、天神さんの方へ行かない様に道を左に逸れた所の灯りを目指します。中はお馴染みさんだけだろうな、と思いながら入りますと、小さいお店に私が座れる場所が一つだけ空いていました。先客様お一人はカウンター席で、残りの席は雑誌や新聞で占拠されています。あとテーブルにお一人で、一見の私が残り一つのテーブルに向かって座るのを見届けられました。静かに私の来訪を受け入れていただいた感じです。椅子はあと何脚かありましたが、本当に使うのでしょうか。全ての椅子に誰かが着席したら、恐らく食事としては窮屈な場所になると思います。心理的に落ち着けるのは、3人にマスター一人でお店の空間は「いっぱい」という感じです。

古いですね、色々な物が。メニューはテーブルにプラ製スタンドに挟まっています。入り口あたりにお店のステッカーが貼ってありまして、こちらに営業時間と定休日が表示されていました。定休日は月曜日ですが天神さん(25日)に当れば営業。メニューに何のことか想像もつかない「白梅麺」、「紅梅麺」という、天神さんのアイコンを付けた特別メニューを見つけました。梅の花が柄の手ぬぐいを頭に巻いた店主様、この北野界隈と、そのスーパーランドマークである北野天満宮に対する愛、またこの地で営んでいる誇りを感じました。

○ラーメン(610円)
鶏ガラ醤油味のスープは、少し濃いめで油分は少なめのすっきりとしたものです。中太の麺が少し柔らかめにゆがかれていましたが、量と麺の感じなら、塩分は薄くて良いので、もう少しスープが多ければ好みにバッチリでした。トッピングは充実していて、厚めのチャーシュー3枚に、もやし、ネギ、メンマも結構な量です。これでビールのおつまみいけます。ちょっと驚いたのはデフォルトでラーメンコショーの様なものが少しふられていたことで、これはテーブル上にあるので客任せで良かったかと思います。
○餃子(370円)
大きめのものが8個、薄めの皮ですがモチっとした感じが良いです。ニラ、ニンニクが多めで、皮から透けて見えました。鉄板に残っていた小さな焼けこげの粒が表面にポツポツと付いておりました。皮の食感にパスタを感じていた時、このポツポツは正にカルボナーラだと勝手に納得してしまいました。こちらは黒胡椒でなく本当の炭、です。私は餃子の方を支持したいです。

満足してお店を出る際、お馴染み様とノンビリと世間話をしていたご主人が、「またお立ち寄りください」と声をかけていただきました。恐れていたような排他的な雰囲気も皆無なお店でありましたし、是非再訪問したいと思います。

【店舗データ】
精養軒(せいようけん)
075-462-5073
12:00〜23:59
定休日 月曜日 ただし毎月25日は営業
京都市上京区新建町10

レビュー(食べログ)