よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

味苑 [竹田]

庶民派四川料理の人気店、満足するための一案

【初訪問:2011年8月】
コチラの評判を聞いて随分経ちましたが、あまり馴染みの無い場所なのでついつい置き去りにしておりました。暑い日の夕刻、辛いものを食べてスキッとしようか、という時に提案が受け入れられて訪問です。竹田駅から歩きましたが、名神の高架下の見栄えのしない風景に結構歩かされた感じがしました。車ではなかなかに便利な大通り沿いにありますが、お店は静かに営業中の札がかかっているだけです。もっと活気とか雑然とかをイメージしていたのですが、ちょっと外れました。中に入ると、小柄なおばちゃんがテーブル席に案内してくれました。お座敷の方は先客様で満席、カウンター席は空いているので、グループのお客さんばかりの様です。おばちゃんは中国語を話されますが、日本語はほどほどの様で、応対は笑顔と身振りも使って大活躍です。

メニューは写真入りで立派なものが用意されていまして、料理の数も充実です。四川を初め、大衆中華の定番が並んでおります。いつもの事ですが、食い意地がお腹の許容量を大きく超えているので、おばちゃんを随分待たせました。これは食に徹すべしとお酒無しと決めたら、かみさんは勿論了解。大食いモードになって、メニューでアピールの強いものを中心にオーダーしました。最初の一、二品までが意外とかかりましたが、その後はぱぱっとタイミング良く届きました。

○イカの薬味ソース(880円)
予想に反して、生のイカにタップリのネギと一緒にソースで和えた冷菜でした。冷菜としては量はたっぷりあって、塩味と旨味が効いたものでした。オイルも香ばしくて美味しくいただきましたが、ちょっと食べ続けると正直少し飽きた感じになりました。
○麻婆豆腐(780円)
こちらの豆腐は柔らかいものを形をあまり崩さずに仕上げるタイプでした。味は割合ストレートな唐辛子味で、それ以外の風味で個性をつけている様な感じはしませんでした。中には少しのミンチとネギ、トッピングにはネギの青い部分がきざみではいっていました。勿論ちゃんと辛いのですが、十分に対応ができます。辛い物が普通に好き、という程度の私ですが、ごはん、お酒などが無くてもいただけるレベルです。
○焼蒸し豚バラ肉(980円)
読みにくいメニュー名ですが、蒸した豚バラ肉を厚めのスライスに切ったものを、甘めのソースで煮て味をつけたもの。少しピリ辛が入っていますが、全く問題なくいただけます。たっぷりのバラ肉で、多分にオイリーですが柔らかく仕上がっています。蒸しパンに挟んで、いわゆる刈包(チャーシューまん)の様に食べると一層美味しくいただきました。
○鶏肉オイスターソース(880円)
小さめに切った鶏肉に、ピーマンなどの野菜少しが一緒に甘辛のうま煮になっていました。唐辛子やスパイスの辛さは強くなく、むしろ旨味と塩の甘辛味は濃いめでした。
○ 五目チャーハン(580円)
普通の卵炒飯で、量はタップリありました。

予想以上に大きめのポーションで十分に満足し、さらにお値段も大変安く済みました。味も満足したのですが、何故かちょっと手放しで良かったと言えない感じが残っておりました。その理由を考えてみたのですが、恐らく初めて伺った我々の問題である気がしています。この日は数多くのメニューから選ぶ時、私ほど辛いもの、脂っこいものが好きでなく、爆食でない同行者との調整が必要でした。それで、一人なら選んだであろう、というモノを控えたりしたところもあります。ですから、庶民派の四川料理店にはまず一人で何度か伺い、そのお店の特徴を知った後に人を誘うのが良いのでしょう。酸辣湯、担々麺を一人で食べに行くのが、王道に見えてきました。

【店舗データ】
味苑(みえん)
075-647-9119
11:00~14:30、17:30~23:00
定休日 無休
京都市伏見区竹田七瀬川町12-4

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