よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

さんさか [間之町御池]

何かを語る店名が隠し味、静かに楽しむカレーとコーヒー

*訪問から時間の経っているレビューです。
【初訪問:2012年10月】
悪気は全く無いのですが、ちょっと一方的な言い分を許していただくと、私は「カフェ」というカテゴリーのお店に対し、積極的に伺う様な趣味でもなく、そういうお洒落もキャラでないのです。しかし、つらつらとレビューを書いている間に、私のレビューのジャンル別で「カフェ」は3番目になっていました。この不思議な状況の理由を過去のレビューから探ってみると、カフェを真っ当に楽しまれる皆様と利用法で大きな違いがあるようです。私がカフェに行く時は、ほとんどが以下の二つの場合でした。第一はランチ時に美味しいカレーを求めている時。第二は夜に外食した後の二軒目で、お酒でなく美味しいコーヒーが欲しい時。カフェの食事といえば、カレーだけでなくパスタ、サンドイッチ、時には五穀米などのヘルシー系定食などが有りそうですが、やはり、好物であり、お店それぞれの個性が出ると思われるカレーをウリにしているところ、に惹かれるのだと思います。

閑話休題。

御所南というにはギリギリのエリアで、市役所を西へ、間之町通を御池から上がって右側にあるお店です。この界隈は、それぞれ違った雰囲気ですが、読書家垂涎のカフェが充実のエリアです。こちら「さんさか」は、窓の向こうに通りが見えるカウンター席が4席、それ以外はテーブルが2卓という小さいお店ですが、本がたくさん並んでいます。私が座った席から手が届く範囲でも数十冊。そんなお洒落カフェにガヤガヤとおっさんがカレーを求めて着席。キッチンには物静かな男性一人、別嬪さんはホールとキッチンのサポートも担当です。親切で応対のタイミングも良く、グラスのお水が切れる事はありませんでした。適当に手にしたのが京都の大学を舞台にした誰かの小説で、マンガの様な内容を無邪気に楽しんでいる間に料理が届きました。

○カレーセット (1000円)
円形の平たい皿の端に、茶碗を使って丸く盛られたごはんがあります。皿の残りの面はカレールーで満たされ、上から見ると三日月状の海になっていました。ごはんの島を岸壁から少しずつ崩し、カレーと一緒にいただくと旨い!色々な野菜などが溶け込まれた感じの味わいで、トロリとしたルーです。少し甘めですが、スパイスも適度に効いて良いと思います。ビーフの塊が数個ありましたが、十分に煮込まれてほろほろと肉がほどける感じです。
付いているサラダは小ボウル入りで、サニーレタス、パプリカ、ピクルスのシンプルなグリーンサラダ。甘めのフレンチドレッシングです。食後のコーヒーはブレンドで、きりっとした苦みがあり、味もしっかりしています。対して、飲んだ後口は爽やかでした。

期待通り、美味しいカレー、それに食後のコーヒーと読書を楽しみました。店名は恐らく、「さざんか(山茶花)」の旧い読みというか、元々の読み方由来なのだと思います。発音しにくいこの「さんさか」という言葉、間違って「さざんか」と話される間にそちらが通常の読みになったというちょっと寂しい過去のある言葉です。こういう言葉を取り上げて店名にしているセンスをお持ちの店主様、営まれているこちらがブックカフェとして高い評価を得ておられるのは十分に納得できることだと思います。
【店舗データ】
さんさか
075-241-2710
9:00~18:00
定休日 木曜日
京都市中京区間之町通り御池上ル高田町500 ポポラーレ御池 1F
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