よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

桝富 [三条白川橋]

澄んだおつゆに鴨肉が感動の名物お蕎麦

【最近の訪問:2012年12月】
寒い日の温かいお蕎麦をいただきたいと思った時、こちらに暫くうかがっていないことを思い出しました。週末のお昼過ぎで、混雑しているかもと心配しつつの訪問でしたが、ちょうど先客様が出られて交代するような感じで入店できました。中ではお昼から名物の鴨鍋を食されている方もおられます。羨ましいと思いつつ、やはりコチラは鴨のお蕎麦、ということです。

○鴨せいろ (1150円、または1050円)
こちらのせいろは、通常、そば粉九割で用意されますが、伺った日は売切れになっていました。あらかじめ「七三でならご用意できます」とお断りがあり、お値段もお品書きよりも100円安い1050円でした。温かいつけ汁に、定番の鴨と葱の組み合わせ。鴨は胸肉ともも肉が両方入っていて、ちょっと甘辛のおつゆにたっぷり旨味が出ています。蕎麦は、以前に温そばでいただいた時と変わらず細くて白いもので、柔らかいもののつるっとした食感が面白かったです。
○鴨なんば (900円)
おだしはせいろほど甘さはありませんが、鴨とねぎの旨味は変わらず容赦ないです。小さめの丼ですが、ほっと落ち着く一杯でした。

変わらず美味しいお蕎麦を出されている良店、久しぶりの食事で年越し蕎麦をいただくことができました。平安神宮近くで、なかなかの人気店です。

*以前のレビュー*
【初訪問:2009年1月】
寒い日のお昼に温かいお蕎麦が食べたくなり、食べログで拝見して気になっていたこちらに伺いました。鴨の美味しいお蕎麦屋さんなんて、時節柄ピッタリでしょう。三条通の白川橋近くの路地を北へ少し入ったところにある、古くて趣きのあるお店がこちら、桝富です。

店外からは静かな様子ですが、「開店中」の札に促されて引き戸を開けて入ります。抑えられた照明で何とも古く、ただし落ち着きがあって慕わしい感じです。手前にテーブルが4台ほど、私が座って全て埋まるという人気です。奥にはお座敷もあるようで、そちらから賑やかな声が聞こえます。お店の趣きに反してお運びは若い別嬪さん二人が中心、これは嬉しい変化球です。いただいたお茶を啜りながらメニューを見ると、蕎麦だけでなくうどんも出される様です。地元の方中心と拝察しますが、きつねうどんなど皆様ご自身のお好みで注文されています。なるほど、それならば、と関西風のおだしを期待して温かいお蕎麦を注文しました。

○鴨なんば (900円)
しばらくの時間があってから届いたどんぶり、ちょっと上品なサイズですが、透明の澄んだおだしに乗っている鴨肉とねぎは食べる前から生唾もの。ちょっとおつゆを啜って一口お蕎麦をいただくと、ああ旨い!鴨肉のおだしが何ともいえません。鴨肉は、良くある胸肉(ロース)の他にもも肉も入っております。ちょっと歯ごたえありますが味もバッチリ、いやはや、恐れいりました。慌てたわけではないですが、ゆっくりと、でも休むことなく食べ続けて完食です。ふーっと一息ついたら現実の世界に戻ってきました。
ああ、終わってしまった。。。
お蕎麦一杯ですが、期待以上の一品に出会って感動。再訪非常にアリ。また夢を見にきたいと思います。

【再訪問:2009年3月】
桜の季節にカミサンを連れて再訪問。開店直後の11時半に入ると、どんどんお客さんがこられて12時前にはほぼ満席、人気のお店ですね。前回と同じ「鴨なんば」をオーダーすると、今回はほぼ全てがもも肉。相変わらずの旨さ、評価アップします。

【2010年1月】
やっと機会がありまして、夜に伺ってこちらの鴨鍋をいただきました。予約で一番奥の川の音が聞こえる座敷をお借りし、皆様お薦めの一品に初挑戦です。

○鴨鍋 (3300円)
まずスゴい量の鴨肉です。胸肉(ロース)のスライスが花びらの様に盛られた皿のまん中には、もも肉もたっぷり盛られています。こちらのお鍋、実はおだしでなく昆布だけの水炊きなのです。煮えた鍋に、鴨肉はちょうど火が通ったぐらいで食べるのが良い、固くなる前にどうぞとアドバイスがありました。それにしても鴨のもも肉、こちらでしか味わったことないですが、濃くて旨いです。野菜も白菜、きのこ、山菜など色々で、おだしでいただく鴨鍋の定番、九条葱はそれほど主役顔はしていません。
テーブルの「ポン酢でどうぞ」と言われましたが、中身はほとんど「おそばつゆ」です。ほのかに柑橘を感じるかという程度で、酸味はあまり強くありません。しかしこれが期待以上にしっかりと味を感じ、鴨肉にもよく合って旨い!薬味のスダチ、おろし、葱、七味を使いながらどんどん食べます。鴨の新しい食べ方を見つけた感じで、とても感心していただきました。味のついたおだしよりもさっぱりとしているので、量をいくならこちらの食べ方だと思います。
それでも〆に細うどん、そばが用意される頃には、おつゆにも鴨の旨味が十分に抽出されています。別腹で食べた後にごはんも一膳、残りのおだしがけでいただいて完了しました。「デザートのフルーツです」と、普通の温州みかん(!)が一人一つ。これは持って帰りました。

温かいお鍋でお酒も美味しいですが、如何せん量が多いガッツリ鍋です。味付けも濃くありませんし、ここはまず食に徹して、美味しい鴨肉でお腹を満たすのがベストでしょう。お昼にいただくお蕎麦の量が上品であるのに比べ、この鴨鍋のコストパフォーマンスは恐ろしく高いと思います。

【店舗データ】
桝富 (ますとみ)
075-771-5973
11:30~15:00 、17:00~20:30
定休日 月、火曜日
京都市東山区三条通白川橋西入ル大井手町103

レビュー(食べログ)