よろめき食い道楽記

日々見つけたオイシいもんのことを語ります

吉田さかみち [北白川]

緩やかな坂道で見つけた日本酒の小さなオアシス

*訪問から時間の経っているレビューです。
【初訪問:2012年5月】
手頃な値段で焼酎を楽しんでいた学生のころ、特定のブランド酒を異様にもてはやしてプレミア的な価値が付く日本酒の世界を不思議な思いで見ていました。自宅での管理が容易でもあり、焼酎を常のお酒にして暫くが経ちました。その後に二度の大きな焼酎ブーム、特に二度目の波が来て以来、一部のブランドに蔵元のコントロールを完全に離れたような値段が付き始めました。私が日本酒を避けた原因になった様なことが、焼酎でも起こった訳です。焼酎が相対的に「美味しくてリーズナブル」というメリットは、ほぼ無くなりました。そういうこともあってか、焼酎に押されていた日本酒も地方や地元の酒蔵製のものが見直さ れ、選択肢も広がり楽しみ易くなったと思います。それぞれのお酒を得意とするバーや飲みどころも流行りました。余計なことですが、中にはそれぞれのお酒への愛着でなく、売り上げに興味が尽きないお店もあった様です。ブームが去ると専門店の看板を下し、最近までなら梅酒、昨今ならクラフトビールをウリにされているお店になってみたり。そういうのを見知ると白けてしまうので、是非とも特徴は変わらず持ち続けていただきたいと思います。

閑話休題。

和食のお伴に焼酎で問題が無かった私ですが、これは日本酒に限るという料理をはっきりと認識したのは京都に来てからです。食い道楽な私ですので、貴重なお酒よりもお料理の充実が優先。そういう私が興味を持ったのがこちら。街中から離れた場所で営まれているのですが、お料理の良さと珍しい日本酒がいただける人気店とお聞きしていました。今出川通百万遍から銀閣寺に向かう途中、店名の通り「吉田山の北麓、道路が坂道になっている辺り」にあります。週末の夜に機会を得て、飛び込みで伺いました。

お店はL字型のカウンター席だけのお店です。ほぼ満席で、何とか先客様の入れ替わりで入れたという感じでした。この人気店を営む若い男性が一人、キッチンの中で頑張っています。最初に「うちは日本酒のお店で、他の飲み物が殆どありません」というお断りをされます。それを了解の上で、肴をメニューから気ままに選び、お酒は好みを伝えてお奨めのものをいただきました。

○冷酒
一合をグラスに注いでいただけます。辛口より芳醇な方が好み、と伝えて以下のものをいただきました。
「写楽」:福島
「墨廼江(すみのえ)」:石巻
「ヤマサン正宗 生 九号酵母」:島根
「天野酒 六号純米 無濾過 生原酒」:河内長野
○つきだし
野菜サラダ。アスパラ、南瓜、ブロッコリ、水菜などをオリーブオイルで和えたもの。こういうちょっと洋のエッセンスのある肴を、日本酒でいただくのです。
○イサキのカルパッチョ
酸味は柑橘の風味で優しく、酢の味はほどほどでした。甘い白身の魚は、あっという間にお酒と共に消えて行きます。
○薫製盛り合せ
たらこ、チーズ、ちくわ、それにお新香です。どれもスモークの香りが素晴らしく、塩気はそれほど感じないのに十分に肴となります。
○若竹煮
お醤油、鰹ともに抑えめの一品で、これはもう少しはっきりとした味の方が好みでした。
以上を二人でいただいて、合計で7000円ちょっとのお会計になりました。

スタッフは若い男性一人で、調理と応対でフル稼働されています。時間の無い方や、気分の急く方にはちょっと合わないかもしれません。しかし、こちらは基本的に日本酒を楽しむ為に皆が集まっている場所。これを機会に会話が弾めば、退屈することは無いでしょう。

【店舗データ】
吉田さかみち (よしださかみち)
075-771-0099
18:00~24:00
定休日 火曜日
京都市左京区浄土寺西田町118

レビュー(食べログ)

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